「堺 アルフォンス・ミュシャ館」にてKOMORI石版印刷機を展示
2022年06月30日
チェコの芸術家アルフォンス・ミュシャの作品を所蔵する、大阪府堺市の美術館「堺 アルフォンス・ミュシャ館」に、KOMORIの草創期に作られた石版印刷機が展示されました。
この石版印刷機は、大阪府立今宮工科高等学校がリトグラフの実習用に所有していたもので、今回同館へ寄贈されました。納入は昭和42年(1967年)に遡り、2005年頃まで印刷工業科の授業で実際に使われていました。
印刷機のプレートには『小森印刷機械製作所』との表記があり、 会社の系譜から昭和8年頃に製造されたものと推測されます。2023年のKOMORI創立100周年を目前に、会社の原点ともいうべき希少性のある石版印刷機が同館に納められたことに、歴史と縁を感じております。
ミュシャが有名になったポスター作品や、室内を彩る装飾パネル、これらはすべてリトグラフで制作された作品です。同館では、現在リトグラフの印刷方法の動画ガイダンスなどが行われています。ミュシャの美しい芸術作品とともに、美術印刷の歴史上も重要な役割を果たしたとも言える石版印刷機を、ぜひご覧いただけますと幸いです。
展示が開始された小森印刷機械製作所製 石版印刷機。リトグラフの解説動画は、町田市立国際版画美術館制作。
●堺 アルフォンス・ミュシャ館
ミュシャの初期から晩年期にまでわたる作品を展示し、生涯にわたる創作活動を紹介している美術館です。
●アルフォンス・ミュシャ (1860‐1939)
現在のチェコ共和国に生まれ、19世紀末から20世紀初頭にかけて花開いたアール・ヌーヴォーの代表的画家。パリの舞台女優、サラ・ベルナール主演の演劇『ジスモンダ』のポスターで一躍有名に。彼の作品は、しなやかな曲線と美しい色彩が特徴であり、異国趣味や古典古代を思わせる装飾様式で、日本にも 『明星』や『みだれ髪』などを通じて大きな影響を及したといわれます。現代の日本でも大変人気のある作家の一人であり、誰でも一度は目にしたことのある印象に残る作品を多く残しています。
作品左より:
《自画像》1888年 鉛筆、紙
《朝の目覚め:一日の四つの時》1899年 リトグラフ、紙
《昼の輝き:一日の四つの時》1899年 リトグラフ、紙
《夕べの夢想:一日の四つの時》1899年 リトグラフ、紙
《夜の安らぎ:一日の四つの時》1899年 リトグラフ、紙
全てアルフォンス・ミュシャ作 堺 アルフォンス・ミュシャ館蔵
※本記事は堺 アルフォンス・ミュシャ館のご許可をいただき掲載しております。画像の転載、複製を固く禁止いたします。